2027年度から適用される基本情報技術者試験のシラバス案Ver.0.1が公開!


2026-10-05 更新

2026年9月30日に情報処理推進機構から、2027年度から適用される基本情報技術者試験のシラバス案Ver.0.1(以下シラバス案Ver.0.1と呼びます)が公開されました。

基本情報技術者試験 シラバス案 Ver.0.1(2027年度より適応予定)

試験対策講座の講師として、誠に勝手ながら、シラバス案Ver.0.1で注目するべきポイントを説明します。
2027年度以降に基本情報技術者試験の受験を予定されている方の参考になれば幸いです。

シラバスの構成が変わった

ご存じの方も多いと思いますが、2027年度から情報処理技術者試験の区分が大きく変更されます。
応用情報技術者試験、およびデータベーススペシャリスト試験やプロジェクトマネージャ試験などの高度試験が、
プロフェッショナルデジタルスキル(マネジメント)試験、プロフェッショナルデジタルスキル(データ・AI)試験、プロフェッショナルデジタルスキル(システム)試験の3つに再編されるのです。
ただし、基本情報技術者試験は、ITエンジニアの登竜門の試験として、そのままの位置付けとなり、試験の内容と形式は変わりません。
基本情報技術者試験で変わるのは、試験の出題分野を示したシラバスの構成です。

現行制度のシラバスは、テクノロジ系、マネジメント系、ストラテジ系の3つの分野に大きく分けられていて、それぞれの分野が大分類と中分類に分けられています。
テクノロジ系には大分類1~4と中分類1~13があり、マネジメント系には大分類5~6と中分類14~16があり、ストラテジ系には大分類7~9と中分類17~23があります(図1)。

図1 現行制度のシラバスの構成

分野 大分類 中分類
テクノロジ系 1 基礎理論 1 基礎理論
2 アルゴリズムとプログラミング
2 コンピュータシステム 3 コンピュータ構成要素
4 システム構成要素
5 ソフトウェア
6 ハードウェア
3 技術要素 7 ユーザーインタフェース
8 情報メディア
9 データベース
10 ネットワーク
11 セキュリティ
4 開発技術 12 システム開発技術
13 ソフトウェア開発管理技術
マネジメント系 5 プロジェクトマネジメント 14 プロジェクトマネジメント
6 サービスマネジメント 15 サービスマネジメント
16 システム監査
ストラテジ系 7 システム戦略 17 システム戦略
18 システム企画
8 経営戦略 19 経営戦略マネジメント
20 技術戦略マネジメント
21 ビジネスインダストリ
9 企業と法務 22 企業活動
23 法務

シラバス案Ver.0.1は、ビジネス、テクノロジ、セキュリティ・倫理の3つの分野に大きく分けられていて、それぞれの分野が大分類と中分類に分けられています。
ビジネスには大分類1~3と中分類1~12があり、テクノロジには大分類4~5と中分類13~22があり、セキュリティ・倫理には大分類6~7と中分類23~30があります(図2)。

図2 シラバス案Ver.0.1の構成

分野 大分類 中分類
ビジネス 1 ビジネス変革 1 ビジネス変革の方法論
2 経営戦略・デジタル戦略
3 ビジネスモデル・ビジネスプロセス
4 サービスマネジメント
5 プロジェクトマネジメント
6 デザインのアプローチ
7 マインド・スタンス
2 データ・AIの利活用 8 データマネジメント
9 データ分析・データ利活用
10 AI利活用
3 組織活動 11 経営・組織論
12 ガバナンス・監査
テクノロジ 4 デジタル技術 13 デジタルサービス・デジタルツール
14 システムの種類・構成
15 クラウド
16 ネットワーク
17 データベース
18 AI技術
19 情報デザイン・情報メディア
5 システムの開発・運用 20 システムライフサイクルプロセス
21 開発・運用の方法論
22 アルゴリズム・プログラミング
セキュリティ・倫理 6 セキュリティ 23 情報セキュリティの脅威
24 情報セキュリティマネジメント
25 情報セキュリティ対策
26 情報セキュリティ実装技術・評価
7 倫理・コンプライアンス 27 情報倫理・AI倫理
28 ビジネス関連法規
29 プライバシー関連法規
30 セキュリティ関連法規

シラバスの内容が見やすくなった

現行制度のシラバスと比べて、シラバス案Ver.0.1の方がシラバスの内容が見やすくなったといえます。
現行制度のシラバスの内容は、項目や文書を並べていますが、シラバス案Ver.0.1の内容は、それらが表形式に整理されているからです。
これまでシラバスを見るのを面倒だと思っていた方も、ぜひシラバス案Ver.0.1を見てください。
シラバスを見ると、試験の出題範囲が限られたものだとわかり、安心して学習できるようになるからです(図3)。

図3 現行制度のシラバスよりシラバス案Ver.0.1の方が見やすい

(1)現行制度のシラバスは項目や文書を並べている

現行制度のシラバス

(2)シラバス案Ver.0.1は表形式に整理されている

シラバス案Ver.0.1

シラバスの構成は変わっても試験の内容はほとんど変わらない

図4に、情報処理推進機構が公開している科目Aの出題範囲体系案の新旧対応表を示します。
この対応表を細かく見る必要はありません。
注目してほしいのは、現行制度のシラバスと比べて、シラバスVer.0.1で新たに追加された項目は、中分類7のマインド・スタンスと、中分類8のデータマネジメントだけだということです。
つまり、シラバスの構成(分野、大分類、中分類の名称など)が変わっても、試験の内容はほどんど変わらないのです。
これまで使用してきた教材は、そのまま使えます。学習方法も、これまでと同様でOKです。

図4 科目Aの出題範囲体系案の新旧対応表
科目Aの出題範囲体系案の新旧対応表

先ほど図4に示した対応表を科目Aの出題範囲としているのは、シラバス案Ver.0.1の内容が、科目Aと科目Bに分けられているからです。
シラバス案Ver.0.1の冒頭で、前半部が科目Aの出題範囲であり、後半部が科目Bの出題範囲であることが示されています(図5)。
なお、現行制度のシラバスの内容は、科目Aと科目Bに分けられていません。これは、午後試験で様々な分野の問題が出ていた旧制度のシラバスの構成をそのまま引き継いだものだからでしょう。
この点でも、現行制度のシラバスと比べて、シラバス案Ver.0.1の方が見やすくなったといえます。

図5 シラバス案Ver.0.1の内容は科目Aと科目Bに分けられている
■ シラバスの構成

本シラバスは,前半部に「目標とする知識」を,後半部に「目標とする技能」を記しています。

「目標とする知識」では,全試験区分共通の体系である〔科目 A の出題範囲〕の分類ごとに主な用語例を示しています。

「目標とする技能」では,各試験区分の〔科目 B の出題範囲〕の項目ごとに,具体的な内容を示しています。

新たに追加された項目と用語に注目

基本情報技術者試験のシラバスは、これまでに何度も改訂され、試験で取り上げる項目や用語の追加と削除が行われてきました。
受験者に注目してほしいのは、新たに追加された用語は改訂直後の試験に出やすいということです。これは、改訂して新たに追加した用語が試験に出ないと、改訂した意味がないからでしょう。

シラバスVer.0.1で新たに追加された項目は、中分類7のマインド・スタンスと、中分類8のデータマネジメントだけです。
ただし、シラバスVer.0.1では、中分類7のマインド・スタンスの詳細が示されていないので(まだ未定なのか、記入忘れなのか、理由はわかりません)、図6に中分類8のデータマネジメントの内容を示します。
2027年度以降に基本情報技術者試験の受験を予定されている方は、ここに示されている「データドリブン経営」「DIKWモデル」「最高データ責任者(CDO)」「データマネジメントオフィス(DMO)」などの用語の中でわからないものがあれば、意味を調べておきましょう。

図6 シラバスVer.0.1で追加された項目
図6 シラバスVer.0.1で追加された項目

※中分類7のマインド・スタンスも追加されていますが、シラバスVer.0.1では詳細が示されていません。


以上、試験対策講座の講師として、シラバス案Ver.0.1で注目するべきポイントを説明しました。
なお、情報処理推進機構によると、シラバス案の内容は公表時点の検討状況に基づくものであり変更する可能性がある、とのことです。

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矢沢 久雄

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大手電気メーカーでPCの製造、ソフトハウスでプログラマを経験。独立後、現在はアプリケーションの開発と販売に従事。その傍ら、書籍・雑誌の執筆、またセミナー講師として活躍。軽快な口調で、知識0ベースのITエンジニアや一般書店フェアなどの一般的なPCユーザの講習ではダントツの評価。
お客様の満足を何よりも大切にし、わかりやすい、のせるのが上手い自称ソフトウェア芸人。

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